会下山遺跡(兵庫県芦屋市)ー芦屋市教育委員会との共同事業

会下山遺跡イラストマップ

概要

 本格的な稲作が導入された弥生時代、人の生活には不便な丘陵上などにもムラが営まれました。これを高地性集落(こうちせいしゅうらく)と呼んでいます。芦屋市会下山(えげのやま)遺跡は代表的な高地性集落で、その学術的価値の高さから平成23年に国史跡に指定されました。

高地性集落

青銅製の漢式三翼鏃(芦屋市指定文化財)

最高点(S地点)からの眺め

最高点(S地点)からの眺め

竪穴住居跡

竪穴住居跡

復元された高床倉庫

高地性集落

 丘陵や山上などに作られた集落のことを高地性集落と呼んでいます弥生時代の高地性集落は水田がある平地から離れた生活に不便な場所にあることから、戦いに備えた防御や逃げ城、見張り施設の役割を果たしたとする説があります。一方、会下山遺跡のように大規模で長期にわたって継続した高地性集落もあり、当時は貴重な鉄器や中国製品が出土するなど、交易などに果たした役割を重視する説もあります。

 会下山遺跡は、こうした高地性集落のナゾを解明するカギとなる重要な遺跡です。

 このような場所に集落が営まれた理由はわかっていません。見張り場、逃げ城、祭祀場や交通拠点などさまざまな説があります。
 会下山遺跡についても見晴らしがよく、火炊きの跡が見つかっていることから、ノロシをあげて見張り場としての役割や、祭祀場など、さまざまな役割をあわせ持っていたと考えられています。

3次元画像でみる会下山遺跡出土遺物(遺物はすべて芦屋市教育委員会所蔵)

青銅製の漢式三翼鏃

昭和 30 年代に遺跡の中で採集されました。

三翼鏃とは、鏃身(ぞくしん)の先端部から三方に狭翼(きょうよく)がとりつけられたものです。中国で作られたものであり、弩(ど・いしゆみ)と呼ばれる発射装置の矢先につけて飛ばす武器です。戦国時代後期からみられ、秦・前漢時代にかけて作られました。このような貴重品も出土することから、高地性集落が流通に果たした役割を重視する説もあります。

  • 長さ 4.4cm
  • 最大幅 1.18cm
  • 重量 14.3g

以下の画像はクリックするとsketch fabのページに飛びます。

公開されている会下山遺跡のすべての三次元データのまとめは最下部にあります。

会下山遺跡出土土器3次元データ1

弥生土器 甕

 

 

 

会下山遺跡出土土器3次元データ2

弥生土器 鉢

 

 

 

会下山遺跡出土土器3次元データ3

弥生土器 高杯

 

 

 

会下山遺跡出土弥生土器三次元データ4

弥生土器 台付長頸壺

 

 

 

会下山遺跡出土石斧三次元データ

石斧

 

 

 

会下山遺跡出土石槌三次元データ

石槌

 

 

 

会下山遺跡出土石錘三次元データ

石錘

 

 

 

会下山遺跡出土石鏃三次元データ

石鏃

 

 

 

会下山遺跡出土壺の破片三次元データ

壺の破片