埴輪の部屋

史学研究所が三次元計測した埴輪を一覧にして紹介します。
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円筒埴輪トップ

古墳時代前期

寺戸大塚遺跡出土円筒埴輪

京都府向日市寺戸大塚古墳出土
円筒埴輪
(向日市教育委員会所蔵)

 古墳時代前期の円筒埴輪の特徴は、1つの段に3個以上の孔(透かし孔)をあけることです。本埴輪では3個あります。また円形でなく、方形や三角形の透かし孔が多いことも時期を示します。

 

 

 

 

寺戸大塚遺跡出土朝顔形円筒埴輪

京都府向日市寺戸大塚古墳出土
朝顔形円筒埴輪
(向日市教育委員会所蔵)

 埴輪棺に用いられたもので、比較的よく残っています。上部は壺と合体した特徴的な形となっています。

 

 

 

 

 

寺戸大塚遺跡出土朝顔形円筒埴輪(朝顔部取外し)

京都府向日市寺戸大塚古墳出土
朝顔形円筒埴輪(朝顔部取外し)
(向日市教育委員会所蔵)

 

 

 

 

 

京都府向日市五塚原古墳出土朝顔形円筒埴輪

京都府向日市五塚原古墳出土
朝顔形円筒埴輪
(向日市教育委員会所蔵)

 上部は壺の形を示しますが、大変珍しいタイプです。五塚原古墳の裾から埴輪棺として出土しましたが、本来は近くの妙見山古墳のために作られた埴輪です。

 

 

 

 

 

京都府向日市五塚原古墳出土楕円筒埴輪

京都府向日市五塚原古墳出土
楕円筒埴輪
(向日市教育委員会所蔵)

 同じく五塚原古墳の埴輪棺に利用された楕円形の埴輪です。本来は妙見山古墳のために作られた埴輪です。

 

 

 

 

 

古墳時代中期

京都府向日市大極殿古墳出土円筒埴輪

京都府向日市大極殿古墳出土
円筒埴輪
(向日市教育委員会所蔵)

 長岡宮の大極殿から出土した古墳時代中期の円筒埴輪です。破壊された古墳が近くにあったことを示します。上部に船状の線刻がみられます。

 

 

 

 

 

古墳時代後期

京都府向日市物集女車塚古墳出土円筒埴輪

京都府向日市物集女車塚古墳出土
円筒埴輪
(向日市教育委員会所蔵)

 後期の前方後円墳として有名な物集女車塚(もずめくるまづか)古墳から出土した円筒埴輪です。突帯と呼ばれる粘土紐を輪状にめぐらしていますが、表面を整えていないため、指で貼り付けた凹凸が残っています。古墳時代後期の円筒埴輪の特徴のひとつです。

 

 

 

 

 

京都府向日市物集女車塚古墳出土埴輪

京都府向日市物集女車塚古墳出土
埴輪
(向日市教育委員会所蔵)

 

 

 

 

 

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古墳時代後期

荒蒔古墳出土家形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
家形埴輪
(天理市教育委員会所蔵)

器財埴輪トップ

古墳時代後期

天理市荒蒔古墳出土太刀形埴輪(鹿狩り)

奈良県天理市荒蒔古墳出土
大刀形埴輪(鹿狩り)
(天理市教育委員会所蔵)

 上が大刀の握る部分(柄 つか)で、下部は鞘に刀がはいった形を表しています。この埴輪の珍しいところは鞘の両脇がひれ状に広がり、中央に鹿とそれに向かう矢が線刻で表されていることです。大刀と鹿狩りの組み合わせにはどのような意味があったのでしょうか。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土双脚輪状文埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
双脚輪状文埴輪
(天理市教育委員会所蔵)

 輪の一部が二股に分かれて右側に突き出した独特の形状を表した埴輪。双脚輪状文が何を表しているのか、いろいろな説がありますが、決着していません。スイジ貝をかたどったとみる説(呪術的な意味)、儀仗具(貴人の周りで用いる道具)などの考えがあります。和歌山県大日山35号墳では男子がかぶる冠帽の周囲にこの形状の鍔をめぐらした埴輪がみつかりました。

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土太刀形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
大刀形埴輪1
(天理市教育委員会所蔵)

 大刀の柄の部分。帯状に飛び出している部分は、柄を握った拳を保護(護拳)する、あるいは刀を落とさないためのベルト。外側に付けられていた玉の表現もあります。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土盾形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
盾形埴輪
(天理市教育委員会所蔵)

 身を守るための盾を模した埴輪。上部が欠損しています。古墳時代後期の盾形埴輪はこのように幅の狭いものがおおなります。盾面には鋸歯文と呼ばれる、三角形を連ねた文様がみられます。

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土蓋形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
蓋形(きぬがさかた)埴輪
(天理市教育委員会所蔵)

 貴人にさしかけて威儀をととのえるための笠を表した埴輪。

 

 

 

 

滋賀県米原市狐塚古墳出土蓋形埴輪

滋賀県米原市狐塚古墳出土
蓋形埴輪
(米原市教育委員会所蔵)

 

 

 

 

 

滋賀県米原市狐塚古墳出土太刀形埴輪

滋賀県米原市狐塚古墳出土
大刀形埴輪
(米原市教育委員会所蔵)

 

 

 

 

 

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古墳時代後期

奈良県天理市荒蒔古墳出土人物形埴輪(首飾りをした女性)

奈良県天理市荒蒔古墳出土
人物形埴輪(首飾りをした女性)
(天理市教育委員会所蔵)

 女性をかたどった人物埴輪の上半部分で、頭の上には髪を結った板状の髷(まげ)表現があります。首飾りがあり、胸が少し出ています。両手を前に出しており、本来は何かを捧げる姿であったと思われます。巫女ないし奉仕者を表したものとみられます。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土人物埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
人物埴輪6
(天理市教育委員会所蔵)

 上半部は欠失していますが、腰の帯部分に何かの道具を挿している人物。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土人物埴輪(馬ひきの男性)

奈良県天理市荒蒔古墳出土
人物埴輪(馬ひきの男性)
(天理市教育委員会所蔵)

 一方の手を欠失していますが、類例から手を上にあげて馬を曳く人物であったと推測されます。頭の両脇におさげを結った髪形(美豆良 みづら)です。腰の部分に道具(鎌?)がはがれた跡があります。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土人物埴輪(入れ墨をした男性)

奈良県天理市荒蒔古墳出土
人物埴輪(入れ墨をした男性)
(天理市教育委員会所蔵)

 目の下に2本の弧線で入れ墨を表しています。あごには髭状の表現もあります。何かの職業に関わる人物と考えられます。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土人物埴輪(楽器を持つ男性)

奈良県天理市荒蒔古墳出土
人物埴輪(楽器を持つ男性)
(天理市教育委員会所蔵)

 先が尖った高い帽子を被った人物の埴輪。左手の上に弦楽器状のものがみえます。弓とする説もあります。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土人物埴輪(被り物をした男性)

奈良県天理市荒蒔古墳出土
人物埴輪(被り物をした男性)
(天理市教育委員会所蔵)

 

 

 

 

 

滋賀県米原市狐塚古墳出土人物埴輪(巫女)

滋賀県米原市狐塚古墳出土
人物埴輪(巫女)
(米原市教育委員会所蔵)

 弓を抱えた女性(巫女)の埴輪。首の一部をのぞいて頭部はすべて復元部分。手には籠手状の手袋をはめています。儀式の時に弓を持っていたのでしょうか。弓には乾燥割れなどを防ぐための縦溝の表現があり、細かく写されています。

 

 

 

 

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古墳時代後期

奈良県天理市荒蒔古墳出土馬形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
馬形埴輪3
(天理市教育委員会所蔵)

 轡(くつわ)をのぞいて、鞍などの馬具の表現がない馬型埴輪。たてがみはきれいに整えられています。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土鶏形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
鶏形埴輪1
(天理市教育委員会所蔵)

 頭上に鶏冠(とさか)を付け、小さな円で目を表した鶏形埴輪。首が長いのが特徴です。脚は線で表しています。古代において鶏は時を告げる存在として神聖視されていたようです。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土鶏形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
鶏形埴輪2
(天理市教育委員会所蔵)

 左の鶏形埴輪より小さく、オスとメスのつがいになる可能性があります。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土馬形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
馬形埴輪1
(天理市教育委員会所蔵)

 轡(くつわ)、鞍、鐙(あぶみ 足をかける器具)、杏葉(ぎょうよう 吊り下げて用いる装飾具)がそろって表された馬形埴輪。鐙は壺鐙(つぼあぶみ)と呼ばれる袋状の形態につくってあります。飾りを多数付けた馬は、古墳に葬られた権力者にとって、貴重な財とされていました。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土馬形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
馬形埴輪
(天理市教育委員会所蔵)

 

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土犬形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
犬形埴輪
(天理市教育委員会所蔵)

 鈴付きの首輪を付けた犬形埴輪。犬形埴輪は狩猟場面を表す際にも用いられますが、鈴はどんな役割を果たしたのでしょうか。

 

 

 

 

奈良県天理市荒蒔古墳出土猪形埴輪

奈良県天理市荒蒔古墳出土
猪形埴輪
(天理市教育委員会所蔵)

 猪形埴輪は狩猟の対象を表す場面で用いられることがあります。表面に塗られた赤い顔料がよく残っています。

 

 

 

 

滋賀県米原市狐塚古墳出土鶏形埴輪

滋賀県米原市狐塚古墳出土
鶏形埴輪
(米原市教育委員会所蔵)